ネズミがこれだけ人間の社会に出現するのは、環境への順応性が高いだけではなく、ネズミの個体数の絶対的な多さが関係しています。そして、その個体数が多くなっている原因が、ネズミの驚異的な繁殖能力にあります。

ネズミの繁殖能力、そしてその能力によって都会にまで進出してきたネズミの凄さを解説します。

ネズミの繁殖能力がどれだけ凄いのか解説しよう

一度の出産数が多い

ネズミの繁殖能力の高さを説明する上で一つ目のポイントとなるのが、出産する個体数です。ネズミは一度の出産で生まれる子ネズミの数が多い点が、繁殖能力の高さに直結しています。

ハツカネズミを例に挙げると、一度の出産で多いと８匹もの子供を産みます。多くの子供を一度に作る哺乳類でも、８匹を産む生物はそうそう多くありません。
このように、出産する子供の数が多いため、一度の出産で効率的に個体数を増やすことができます。それがネズミの凄さの一つです。

生後数週間で繁殖ができる体に

ネズミの繁殖能力は、もう一つの要素によって驚異的なものとなっています。それは、生まれた個体が生殖機能を持つまでの、期間の短さです。実はネズミは生まれてから、数週間で繁殖ができる体になります。

再びハツカネズミを例に挙げてみましょう。ハツカネズミは、生まれたばかりの子供が、３週間から４週間が経過するともう生殖行為ができるようになります。人間の成長と比較すると、とてつもない早さであることがわかります。

多くの子供を産んで、その子供がすぐに生殖機能を持ち、そしてまた多くの子供を産む。これがネズミの繁殖能力の高さの証拠です。

都会はネズミにとっての天国か

住居になる場所が至る所に存在

人類の持つテクノロジーや技能によって、どんどんと発達してきた都会。その都会は人間のために作られましたが、蓋を開いてみると人間よりもネズミにとっての天国と言えるのかもしれません。

ネズミの天国だと言える理由の一つが、ネズミの住処になるような場所が至る所に点在していることです。都市部は建物が多くあることや、排水設備など、複雑な構造になっています。

そのため、ネズミが住みやすい狭い場所、湿った場所がかなりの数あるのです。
このような場所は、ネズミにとって外敵から身を守れる最高の住居になります。都会はネズミのベッドタウンとも言い換えられるでしょう。

食べ物もたくさん

都会ではたくさんの人間がそこで生活をし、食事をしています。それゆえに、たくさんの人間の食べ物や、その食べ物から出た残飯があります。これら、人間にとっての食品や、そこから出た残飯は、ネズミにとっての餌になるのです。

過疎地域のそれほど人が多く暮らしていない場所であれば、それほど多くの餌はありません。しかし、都会ならば継続的に食品や残飯が常にどこかにあります。ですので、ネズミとっていつでも食べ物にありつけるという環境になります。このような食べ物がたくさんあるという点も、ネズミにとって都会は天国だと言える理由です。

家にネズミが出たら？増える前に早めの対処を！

繁殖時期になる前までにネズミ対処をする

ある日、屋根裏でネズミの音が聞こえたとか、ネズミの糞が落ちていたという場合、早急にネズミ対策を行う必要があります。そしてその対策は、繁殖時期になる前には必ず行いましょう。

ネズミの繁殖時期は、一般的に春と秋の温暖な時期だと言われています。夏冬にも繁殖はしますが、春秋の繁殖力に比べると、その勢いは落ちます。ですので、繁殖時期の前に確実にネズミ対策をしておくことで、その被害を大きく抑えられるのです。

繁殖時期に入ったネズミは、思わぬスピードでその個体数を増やしていきます。一気に家屋をネズミに占拠されないように、早急な手を打ってください。

必要な道具を用いて一匹でも多くのネズミを駆除

ネズミを発見した場合、その駆除を行う必要があります。その駆除の方法としては、必要な道具を用いることが重要になります。よく用いられる道具には、ネズミを殺すために置く殺鼠剤やネズミ捕り籠、粘着テープなどです。

これらはネズミを直接的に駆除できます。そのほかに、忌避剤や超音波装置など、ネズミが嫌がる匂いや音を出して退治をする方法もあります。また、個人でネズミ駆除が難しい場合は、専門業者も居ます。これらの方法をうまく活用して、早急にネズミ対策を講じるようにしてください。

その他の詳しい記事はこちらから → 実証！超音波でネズミと戦えるのか？

まとめ

ネズミの繁殖能力は、ネズミ算という言葉があるほどにとても凄いです。
早めの対処ができない場合、驚くほどにその個体数を増やす可能性があります。ですので、ネズミの対策については、即座にそれを行うように心がけましょう。